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平成29年度 俳人協会4賞授賞式

懇親会にて。左から白石渕路さん、黒澤麻生子さん、大西朋さん、櫂未知子さん、須賀一惠さん、今井聖さん、本井英夫人のえり子さん(本井英さんは療養中のため欠席)。

3月6日(火)、俳人協会4賞の授賞式が行われました。

今年度の受賞者は次の通り。

◆第57回俳人協会賞(2名)

 句集『カムイ』(ふらんす堂)      櫂未知子

 句集『銀座の歩幅』(角川文化振興財団) 須賀一惠

◆第41回俳人協会新人賞(3名)

 句集『片白草』(ふらんす堂) 大西 朋

 句集『金魚玉』(ふらんす堂) 黒澤麻生子

 句集『蝶の家』(朔出版)   白石渕路

◆第32回俳人協会評論賞(2名)

『言葉となればもう古し』(朔出版)今井 聖

『虚子散文の世界へ』(ウェップ) 本井 英

◆第32回俳人協会評論新人賞  該当者なし

 

俳人協会賞は久しぶりの50代受賞者・櫂未知子さんと、最高齢受賞者の須賀一惠さん92歳。

選考委員を代表して柏原眠雨氏は、

「櫂さんはふるさとの北海道、須賀さんは東京という郷土への思いが込められていて、

それぞれ対象としっかり向かい合いながら詠まれている点が好ましかった」と講評しました。

句集『カムイ』は櫂未知子さんの第三句集。

「季語の正しい使い方を知れば知るほど、それまで作った句を句集に入れることができなくなり、

前作から17年もの歳月がかかってしまった」と櫂さん。

​季語に対しても、句集刊行に対しても凛とした心構えが窺われます

 

今年の新人賞は3名の同時受賞。それぞれに緊張感のあるスピーチが印象的でした。

受賞の知らせを受けた直後に、師の大峯あきら先生が亡くなられたという大西朋さん。

先生の教えを胸に、頑張っていただきたいです。

また、朔出版から刊行した『蝶の家』で受賞された白石渕路さんは、花束贈呈で5歳の娘さんが登壇され、

微笑ましいひとときでした。この日は深見けん二先生もお祝いに駆けつけられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

評論賞では、今井聖さん、本井英さんの両著について小澤實選考委員が選評。

「2冊とも俳句の深い井戸を掘り下げた労作」と称えながらも、それぞれの課題点についても指摘。

今井氏の『言葉となればもう古し』に対しては、

「虚子の花鳥諷詠、季語の本意に対する低い評価が残念だが、

虚子派との間に対話が生まれれば俳壇の活性化につながる」と述べました。

対する今井氏は、

「楸邨は季語を主体的に使えと言っていた。

季語に身を寄せていく作り方ではなくて、主体的に自分が季節に出合うことが大事だと。

そして楸邨はいつも『俺にないものを持ってこい』と言う。

そこで自分は写生でいこうと思った。楸邨の叙情派に対して非叙情で行こうとも。

それを認めてもらって今日の自分がいるのだと思う」。

​本井英さんは療養中のため欠席、えり子夫人が挨拶を代読されました。

ご受賞のみなさま、おめでとうございます。

惜しまれるのは、今年の評論新人賞に該当作がなかったこと。

若い書き手が世に評価されるためにも、より本を出しやすい環境が必要と思う次第です。

評論賞の花束贈呈。左から今井聖さん、大久保亜美さん、本井英夫人のえり子さん、筑紫磐井さん。