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斎藤信義句集『雪晴風』(ゆきはらし)

「ゆきはらし」が吹くころ、北国に春が訪れる。

雪または吹雪が止んだ後、

からりと晴れて太陽が照っていながら強い風が吹くことがあり、

それを「雪晴風」という。早春近くにみられる北方季語である。

北海道の長く厳しい冬に耐えた大地に、

春、雪解けとともに一斉に花が開く。

北国の四季と、そこに暮らす人々の営みを鮮やかに切り取った秀作。

発行:2018年5月15日
帯文:仲 寒蟬

装丁:永石勝/トリプルオー
四六判ソフトカバー 192頁
2500円+税

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◆帯文より
 

うつすらと昼の月ある雪晴風

 

帰り着いたのは一年の半分が雪で覆われる北の大地、旭川。
ひとしきり雪が降れば小さな日が顔を出し風が吹く。
それを「雪晴風」と言う。
斎藤さんの俳句は乾いた雪を舞い上がらせる雪晴風のごとく
眼前の景の向こうに息づく生命までを見通して揺るがない。
(仲 寒蟬)

 

◆作品抄15句

火と水のにほひがかはる大旦

明け方の天女が原の淑気かな

肝に沁むほどの眩しさ雪晴風

クリオネといふ流氷の雫かな

キリストの肋骨がごと冴返る

空のいろ水のいろ蝦夷延胡策

葉は翅のごとく添ふ蝦夷山櫻

星屑も花屑も浮くにはたづみ

くちなはが戦場のごと屯せる

平成の玉音もまた日のさかり

生身とは濡れてゐること露葎

色のなき風のなかなる淋派展

雪晴れやアイヌコタンの空舟

<著者略歴>

昭和11年、北海道増毛町生まれ。

昭和40年「菜殻火」入会、野見山朱鳥に師事。

昭和57年上田五千石主宰「畦」同人。

「松の花」を経て、現在「月の匣」同人、「俳句寺子屋」塾主宰。

俳人協会会員。