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小滝 肇句集『凡そ君と』

◎‶死とは、生を得た時から寄り添う、いわば「隣人」のようなもの″――  

 幼い頃からこの「隣人」の存在を感じてきた著者が、心に孤独を

 抱えながらも、自然を詠み、人間を詠み、いのちの賛歌を奏でる。

◎建築家としての美意識と感性で、鮮やかなイメージとともに

 詩情を湛えた278句を収録。

◎誰も詠まないところを捉えた不思議な魅力と個性に満ちた

 注目の処女句集。

発行:2018年6月26日
装丁:奥村靫正/TSTJ
装画:小滝 肇
四六判上製本 164頁

2600円+税

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◆帯文より
 

凡そ君と分かり合へぬまま梅雨に入る


イタリア映画「テオレマ」で、

かの青年の訪問を受けたブルジョワ一家のような困惑が自分になかったのは、

あのかつての「隣人」の感覚が

まだ何処かに残っていたせいかも知れない。

(「あとがき」より)

◆作品抄15句

左義長のくすぶるものに風を入れ
目秤に春の鰯をひと摑み
春蟬のはじめは声とならぬほど
弾痕は語らぬ父の更衣
朽ち舟の浸りしなかの目高かな

凡そ君と分かり合へぬまま梅雨に入る
マネキンの口開いてゐる旱かな
うづくまる人の離さぬ缶ビール
はりぼての虎に噛まるる佞武多の夜
鵙の贄空におぼるるごとくあり
河豚捌くとき元寇の海荒るる
初雪が空折れ曲がるあたりより
遠火事を見てをり妻となる人と
にはとりの何か咥へてゐる師走
鼻ばかり掻き一月の猿田彦

<著者略歴>

昭和30年、広島市生まれ。

平成16年「春耕」に入会し、22年「銀漢」創刊同人。

現在は俳誌を離れ、結社の枠を超えて作句活動を続けている。