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天野伸子句集『馬の目』(うまのめ)

犬の背、猫の子、赤蜻蛉、油虫、ペンギン、鯨、つばくらめ・・・

​これほど動物が詠まれた句集も珍しい。

タイトル「馬の目」は、第二章の、

  馬の目の誰かに似たる照紅葉

による。馬という生きものがもつ賢さ、優しさが描かれると同時に、

対象を見つめる作者自身のこころの温かさが滲み出ている。

今井聖氏のもとで俳句を学び、「街」創刊とともに入会。

作句歴20年をこえる「街」同人の第一句集

発行:2018年8月1日
帯文:今井聖

装丁:間村俊一
四六判上製本 2200円+税

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◆帯文より
 

天野伸子作品の中で、さまざまの動物や生き物たちは

生き生きとその存在を主張する。それは作者の眼差し

が彼らへの愛情に満ちているからだ。

愛情は跳ね返って作者自身を映し出す。目を凝らすと

一句一句の中の彼らの姿が、天野伸子という存在を

代弁しているのが見えてくるのである。

(今井聖)

◆作品抄12句

寝台へ助走する犬冴返る

のどけしや咀嚼の時の長かりし

給食はミルクと鯨つばくらめ

犬の背を撫づれば梅雨明けの匂ひ

ペンギンの頭上にナイアガラ花火

追伸は犬のことなり夏の果

下駄ふんばり燈籠そつと流しけり

天の川わが守備位置の見当らず

産れたる仔馬に敷きし今年藁

馬の目の誰かに似たる照紅葉

冬麗ら犬に涙を舐められて

子宮とりし猫軽くなる冬薔薇

<著者略歴>

天野伸子(あまの のぶこ)
1940年4月、東京都中央区生まれ。

梅擬句会で俳句をはじめ、今井聖に師事。1996年10月、「街」創刊と同時に入会。

現在、「街」同人、俳人協会会員。