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「語り継ぐいのちの俳句」展

 

3月1日(金)から、全国4カ所で「語り継ぐいのちの俳句」展が開催されています。

 

本展では、『語り継ぐいのちの俳句 3.11以後のまなざし』から

高野ムツオさんの震災俳句25句とその解説を紹介し、

写真家・佐々木隆二さんの作品と合わせて展示。

宮城県在住の二人による俳句と写真のコラボレーションです。

 

◆[宮城] 仙台文学館(~27日まで)

​◆[岩手] 現代詩歌文学館(3月8日~3月31日まで)

◆[福島] コラッセふくしま(~15日まで)

◆[東京] ゆいの森あらかわ(~27日まで)

宮城・岩手はそれぞれの文学館、福島は小熊座「翅の会」がそれぞれ主催となり、

朔出版では東京会場となる「ゆいの森あらかわ」を担当することに。

奇しくも『関東大震災』で菊池寛賞を受賞された吉村昭先生の記念館と同じフロアにて

することができました。

前日2月28日には、小熊座「土の会」から5名が応援に駆けつけてくださり、

なんとも心強い。それでも、2時間半ぶっ通しで作業し、ようやく設営完了。

冷たい雨の中ありがとうございました。

3月1日のオープニングには、福島・東京の2会場に高野ムツオさんが来館。

福島では取材に訪れた「福島民報」の記者に

「原発事故の影響が残る福島に心を寄せていきたい。

新たな表現にも挑戦しているので多くの人に見ていただきたい」

と話されました。

一般の方にはなかなか分かりにくい俳句も、

写真と組み合わせることで臨場感をもってより鮮明に伝わってきます。

今回、その写真を担当いただいたのが佐々木隆二さん。

気仙沼のご出身です。

仙台文学館を訪れた際に、初めて佐々木さんとお会いすることができました。

今回の展示のために、福島の山津見神社にある狼の天井絵や

積み重なる除染土の「黒い袋」などを撮り下ろしたと言います。

佐々木さん曰く、

「短歌とのコラボレーションはこれまで何回があったけれど、

俳句ははじめて。難しいですね、俳句は。なかなか分からない。

けれども、写真と実によく似ている」

どちらも、瞬間を切り取る芸術に違いありません。

そして俳句も写真も、作者は沈黙のまま「物」に語らせるもの、と言えるでしょうか。

 

児童七十四名の息か気嵐は  ムツオ

 

七十四名もの幼い子どもたちが命を落とした石巻・大川小学校のことを詠んだ句です。

佐々木さんがこの一句に合わせた写真は、大川小の校内に倒れていた石碑でした。

そこに刻まれているのは「地球上の位置 海抜一メートル十二セ(ンチ)」の文字。

「海抜一メートル」とありながら、なぜすぐそばにあった裏山へ逃げなかったのか。

語り切れない無数の人の無念を、一枚の写真が突き付けてきます。

 

俳人は、写真家は、東日本大震災、そして3・11以後の東北をどう切り取ったのか。

今回の展示では、俳句の世界を超えてより多くの方に、

俳句と写真の響き合いから何かを感じ取っていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小熊座「土の会」の皆様

「ゆいの森あらかわ」で来場者に作句時の状況や

写真との取り合わせについて語る高野さん