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春日石疼句集『天球儀』(てんきゅうぎ)

著者は、福島市にある「上松川診療所」の所長を30年間勤めた医師で、

本名・春日良之。 専門はプライマリ・ケアといって、緊急時の応対から虫歯の相談まで、患者さんの抱える問題の大部分に対処し、継続的なパートナーシップを築くという、患者さんに寄り添った医療を実践。

目に見える病気だけでなく、心の問題や地域の健康づくり、コミュニティ活性化のために日々奔走し、月に一度は診療所の待合室を開放して  「うたごえ喫茶」を開催。 地元では「赤ひげ先生」と親しまれているお医者さん。  

そんな著者が、東日本大震災の揺れの後、真っ先にとった行動は、往診患者のもとへ車を走らせることだったという。

医師として人間の命を凝視してきた俳句は、平成24年福島県文学賞を受賞。 深い観察眼を持ち、「生と死」「社会」「家族」「自然」「宇宙」を

独自の視点で鋭く詠む。その俳句の根底には、反骨精神と同時に、

常に弱い者に目を向けてきた「やさしさ」があった。

20年にわたる句業をまとめた待望の第一句集!

発行:2019年3月31日
帯文:高野ムツオ

栞文:永瀬十悟・武良竜彦
装丁:間村俊一
四六判ソフトカバー 2200円+税

◆帯文より

本集の句は、人の命を凝視する仕事に携わってきた者のみが

言葉で掬い上げることができる世界だ。

一句一句の解説は不要。その沈黙に耳を傾け、混沌へまなざしを向け、

人間を含めた森羅万象と、そして、作者と息づかいを合わせればよい。

(高野ムツオ)

福島の「赤ひげ先生」が

命をみつめた一冊

◆高野ムツオ選12句

ひとすぢの陰(ほと)さびしけれ峡の雪
老人の眼から禾出て豊の秋
枝高く鳥の巣現れて冬来る
墓踏んでげんげ田踏んで墓の前
縞蛇の何故ここで死ぬ冬田道
ふらここや聞こえぬやうに厭戦歌
累々とある筈の死や虫の闇
水のごとき球体として椋鳥一群
点されし原子炉煮ゆる泥鰌鍋
羊水の記憶なけれど水母浮く
鳥の道空に見えねど葛の花
原発と野壺とありて草萌ゆる

<著者略歴>

春日石疼(かすが せきとう) 本名 良之
昭和29年生まれ。鳥取大学医学部卒。

平成10年から俳句を始め、同24年、福島県文学賞正賞受賞。

現在「小熊座」同人、福島「翅の会」代表世話人。

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